ストロマトライト A

ストロマトライトとは、シアノバクテリアが作り出した岩のようなものです。シアノバクテリアは地球史上初めて光合成を行ったバクテリア。今から35~27億年ほど前に発生しました。このシアノバクテリアによって地球の環境が激変します。当時の大気はほとんどが二酸化炭素でしたが、海中に発生したシアノバクテリアの光合成によって、大気の組成に酸素が大きな割合を占めていくのです。これにより、酸素呼吸を行う生物が誕生してきます。二酸化炭素を呼吸で取り込む生物より酸素呼吸の生物の方が、エネルギー効率が良かったため生物たちはより大きくなり、活動的になっていきます。現在の生物の多様性を生み出していくきっかけになる出来事でした。

ストロマトライトは、そんなシアノバクテリアの生きてきた証。シアノバクテリアが海中のミネララル分を取り込むために、その成長に合わせて縞状に大きくなってきました。成長速度は年に0.4mm。目にする標本は途方もない時間の凝縮です。

酸素を作り出し、生命の基礎を築いたシアノバクテリアですが、一方で私たちの生活も支えています。海中に溶けた酸素が、海が誕生して以来海水に溶けていた鉄イオンを参加させ鉄として海底に沈ませていったのです。これによりできたのが縞状鉄鉱(別標本で紹介)。この縞状鉄鉱が鉄鉱石として文明の基礎を支えてくれているのです。

生命史、人類史に大きく関わる、、、そんな過去の生命の存在をストロマトライトは語ってくれます。

標本サイズ W420 H290 D35 6932g

標本番号 K-012

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